ウサギノネドコ図鑑12 バクテリオファージT4

Sola cube Microのモデル紹介第三弾は、「惑星侵略兵器」と言われてもなんら違和感のない造形の持ち主。バクテリオファージT4という、大腸菌に感染するウィルスです。

Sola cube Microは「ミクロ生物」をテーマにしています。ウィルスであるバクテリオファージT4は細胞を持たない「非生物」として科学的には扱われていますが、造形的な魅力があまりにも面白く、取り上げることにしました。

さて、まずはこちらのモデリング画像をごらんください。

構造としては大きく分けて頭部、尾部、尾繊維の3つの部分から成り立っています。二十面体の「頭部」には感染する宿主に注入するDNAが格納されており、足のような「尾繊維」を使って宿主に着地します。

下記の動画でご覧いただけますが、大腸菌に着地する前まで尾繊維は折りたたまれていて、大腸菌に感染する直前に開きます。

バクテリオファージT4は様々なタンパク質が複雑かつ精密に絡み合って形成されています。動画内に出てくる「gp7」「gp9」「gp12」などの「gp」は「GlycoProtein」の略称で、日本語で「糖タンパク質」のことを指します。

■バクテリオファージT4の構造

■大腸菌に感染する様子

いかがでしょうか?

動画で見るとさらに、バクテリオファージが「惑星侵略兵器」ではないか?と感じませんか?

「大腸菌のいるところにT4あり」ということなので、動物、人間、そしてあなたのお腹の中にもいるかもしれません。ビックリされた方もいるかもしれませんがご安心ください。彼らはむしろあなたの味方になってくれるかもしれません。

「大腸菌に感染する」という書き方をしてきましたが、バクテリオファージT4は大腸菌にとりついて自らのDNAを注入し、大腸菌を溶かしながら、内部で増殖します。

つまり特定の大腸菌を殺す機能を持つので、医療分野での活用を目的にした研究も進んでいるのです(バクテリオファージを使った医療行為をファージセラピーと言うそうです)。

最近になってバクテリオファージT4の構造は原子レベルで解明されてきています。かなり複雑な造形をしており、Sola cube Microシリーズの中で最もモデリングに時間がかりました…。

しかし、その甲斐もあり、かなり忠実に再現されたバクテリオファージT4の造形になっていると自負しています。


大腸菌にDNAを注入せんとしているその瞬間を表現しています。

バクテリオファージT4のサイズは、200ナノメートルという小さなもので(1nm(ナノメートル)=10億分の1メートル)、電子顕微鏡を使っても細部まで観察することは困難です。

Sola cube Microはそれを立体で再現しているため、飽きるほど、いや、飽きがこなくて困るほどその造形を観察することができます。

自然界屈指の精密機械。是非、お手にとって、その驚異の造形をお楽しみいただければと思います。

aoyama

Sola cube Micro – バクテリオファージT4 6,980円(税抜)
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アリストテレスのランタン

突然ですが「アリストテレスのランタン(提灯)」をご存知でしょうか?

アリストテレスといえばギリシャの哲学者として一般的には有名ですが、500以上の生物を観察し「動物誌」としてその記録を残したことでも有名です。

時代は紀元前300年。生物の研究など誰もしていなかった時代ですので、動物学、生物学はアリストテレスから始まったと言っても過言ではありません。

そのアリストテレスがウニの体の中にある咀嚼器を

「まるでランタンのような形をしている」

と動物誌の中で表現したことから、2300年以上の時を経て、今なおウニの咀嚼器は「ランタン」「アリストテレスのランタン」と呼ばれています。

この写真が実際のウニのランタンです。

■アリストテレスのランタン(横から) / ラッパウニ

■アリストテレスのランタン(上から) / ラッパウニ

■アリストテレスのランタン(下から) / ラッパウニ

下から見た時に中央に5本集まっているのが「歯」で、
この部分で岩に張り付いた海藻などを削り取って食べます。

まるでこれ自体がひとつの生物のような造形ですよね?

ということで…

ウニに対する本気な愛は誰にも負けたくないウサギノネドコは、アリストテレス、そしてウニに敬意を表しまして、1年半もの時間をかけてこんなものを作ってしまいました。

大きいです。そして重いです…。

大きさは大人の頭より2周りほど大きいでしょうか。

そして、なんと、なんと、なんと…

歯の裏側には照明が仕込んでおりまして、こんな風に点灯いたします。

初めての点灯の際には「オォォォ」と声を上げてしまいました。アリストテレスがランタンと表現してから2300年。ついにウニの咀嚼器の形をした本物のランタンが完成したのです。

是非、全国のウニャー(ウニ好きのこと)の皆さんには見てもらいたいなと思っています。

どうやって作ったかを少し触れますと、白い部分は「顎骨(がっこつ)」と呼ばれる歯を支える箇所で、CGでつくってセラミックで3Dプリントしています。

CGで作ったプレビュー画像 / モデリング 川島基展(株式会社もももワークス

顎骨以外の箇所は、銅作家の今尾誠さんが銅を叩いて作ってくださいました。銅から新たな生命体を作っていらっしゃる今尾さんだから実現できた有機的で美しい造形です。
(今尾さんについては是非この記事もご覧下さい)。

またこの製作を最初から最後まで支えてくださったのは北九州のものづくりのスペシャリスト、鎚絵さんです(ウサギノネドコの重要な什器の製作は鎚絵さんにお願いしています)。

ウニ好き、棘皮動物好きな方にはもちろん、たくさんの方に見ていただければと思っています。ウサギノネドコのミセで展示していますので是非見にいらしてくださいね。

またウサギノネドコでは「アリストテレスのランタン」のシルバーアクセサリーを製作、販売しています。こちらは本物のウニのランタンから型を取り、シルバーに鋳造するという手間のかかったアクセサリーです。

店頭はもちろん、オンラインストアでも販売しています。限定生産ですのでご希望の方はお早めにお買い求めください。

シルバーアクセサリー

シルバーアクセサリー(上から)

シルバーアクセサリー(下から)

シルバーアクセサリー(ピアス)

シルバーアクセサリー(ネックレス)

ランタンピアス(オンラインストア)
http://usaginonedoko.shop-pro.jp/?pid=94172842

ランタンネックレス(オンラインストア)
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