放散虫イラスト原画・ポストカード販売のお知らせ

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イラストレーターの池田早秋さんが描いた、放散虫のイラスト原画・ポストカード販売のお知らせです。

■放散虫とは?
「放散虫(ホウサンチュウ)」は「虫」という字が付きますが、虫ではなく海に住む動物性のプランクトンです。
恐竜やアンモナイトよりも古い5億年前に地球上に現れ、いまの海にも1000種が住んでいます。

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画像提供: 左上・右下 池上隆仁(海洋生物環境研究所) 右上・左下 鈴木紀毅(東北大学)

■ガラスでできた骨格をもつ放散虫
放散虫は、アメーバ状の体の中に二酸化ケイ素というガラスに近い成分でできた骨格を持っています。
この骨格は化石として残りやすく、顕微鏡でしか見えないほど小さな化石「微化石」として世界中で発見されています。
繊細な編み目とトゲを生やした球、細長く伸びる塔、アンテナを傘のように広げた形など、放散虫骨格の多様な形はとても不思議で面白く、そして美しいのです。
現在、放散虫は化石種・原生種を合わせて1万種ほどが知られています。
骨格の違いで分類するので、1万種類の形があるということになりますが、名前がない新種はまだ数万はあるといわれています。

■ペンで描く細密画 池田早秋
8月30日(水)まで開催中の「美しいミクロ生物の世界」に合わせてこの美しい放散虫の骨格を、イラストレーターの池田早秋さんに描いていただきました。
この緻密なペンのタッチにご注目ください。複雑な形をした放散虫の造形を見事に表現していただきました。
版画とも間違われる池田さんの作品は、製図用のミリペンで緻密に描かれています。
ウサギノネドコ ミセではこちらのイラスト原画を販売中です。
額装もシンプルなので、どんなお部屋にもマッチしやすい作品になっています。
同イラストのポストカードも近日発売予定ですので、どうぞお楽しみに!

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■研究者が感じる放散虫の魅力
今回のイラスト制作にあたり、東北大学で放散虫を研究されている鈴木紀毅先生に大きなご協力をいただきました。
鈴木先生に「研究者の方が感じる放散虫の魅力を教えてください」と尋ねたところ、素敵なお返事をいただきました。

” 研究をしていると辛いときもあります。
そんなときに放散虫を眺めると生物の妙で心が安らぎます。
0.1 mmにも満たないこの大きさ、1個の細胞しか無いのに複雑にして幾何学的な造形を作る。
どうしてこんなことが出来るのだろう。
放散虫は5億年の歴史を持ち、1万種が現れては消えていっている。
微小にして壮大な放散虫を思うと、まだ頑張る気になれます。 ”

■美しいミクロ生物の世界
ウサギノネドコ京都店で開催中の「美しいミクロ生物の世界」では、池田早秋さんのイラスト原画の他、シルバーやガラスで作られた放散虫作品も販売しております。
その精巧な造形美をぜひ店頭でご覧ください。
また、8月27日(日)にはミクロ生物に関連したトークイベントを緊急開催予定です。
近日中にご案内いたしますので、ぜひこちらもお楽しみにお待ちください。

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「美しいミクロ生物の世界」開催概要
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期間  2017年6月23日(金)〜8月30日(水)
定休日 木曜日
時間  11:00〜18:30
場所  ウサギノネドコ京都店 ミセ
(京都市中京区西ノ京南原町37)
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■お知らせ
放散虫研究者の国際会議「InterRad XV in Niigata 2017」が今年10月22日〜11月1日まで開催されます。
一般の方でも無料で見学参加できるプログラムや、気軽に参加できるサイエンスカフェも開催されますので、この機会に世界最先端の研究に触れてみてはいかがでしょうか?

10月22日(日) 第15回国際放散虫研究集会普及講演
第101回サイエンスカフェにいがた『放散虫って何だ??』
http://interrad2017.random-walk.org/information/event/

10月22日(日)〜27日(金) 見学参加プログラム(談笑会を除き無料)
http://interrad2017.random-walk.org/information/visitor-program/

ウサギノネドコ図鑑14 クマムシ

ウサギノネドコでは来週の6月23日(金)より、
「美しいミクロ生物の世界」を開催いたします。

ミクロ生物にまつわるグッズや、書籍、作品などいろいろと取り揃えていますので是非、ご来店ください。

■企画展「美しいミクロ生物の世界」開催のお知らせ

また期間中、ミクロ生物と身近に触れ合うワークショップを、2日間開催いたしますので、こちらも是非ご予約の上、ご参加ください。

・6月25日(日)「ミクロ生物と発酵食品 〜麹菌と味噌づくり体験〜」
・7月30日(日)「ミクロ生物と触れ合おう」

さて…

上記イベントにあわせまして、久しぶりに「ウサギノネドコ図鑑」の更新です。

今回は、Sola cube Microで題材にした、
ミクロ生物の「クマムシ」についてご紹介したいと思います。

クマムシは緩歩動物門(かんぽどうぶつもん)という分類に属する動物で、世界中1200を超える種があるとされています。

Sola cube MicroではParamacrobiotus kenianusという種の「卵」を題材にしました。

そのクマムシ。

成体ではこのような姿形をしています。

4対8脚で歩く様子が、
クマに似ていることからクマムシと呼ばれています。

小さなものでは0.05mm、大きなもので1mm程度。

微小な生物ではありますが、
「過酷な環境で生き抜くサバイバー」でもあります。

私たちの身の回りでは苔の中などに潜んでいたりしますが、
標高6600mのヒマラヤ山中や、水深4500mの深海、
はたまた南極や北極まで世界中様々な箇所に生息しているようです。

クマムシのサバイバーとしての真骨頂は
自らの体を乾燥させた「乾眠状態」に入った時です。

クマムシが生活するには水分が必要ですが、
周囲が乾燥してくると、自らの体も乾燥させ、仮死状態に入ります。

この「乾眠状態」で何年も生き続けることができるのです。

さらに驚きなのは、真空、高圧、高い放射線量、
そして高温や低温にも耐えることができるということ。

宇宙空間で10日間もの間、生きのびたという実験も行われました。

クマムシの話は、Sola cube Microの監修をしてくださった
クマムシ博士こと、堀川大樹さんのお話がとても面白いので、
是非ご参考になさってくださいね。

宇宙生物学とクマムシと私(前編)
宇宙生物学とクマムシと私(後編)

Sola cube Micro – クマムシの卵 5,980円(税抜)
ウサギノネドコ オンラインストア
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