銅を叩いて命を吹き込む

書こう書こうと思って、
もう2ヶ月も経ってしまいました…(汗)

ウサギノネドコで何点か作品を扱っている、
今尾誠さんの工房を訪れに北九州の小倉に行ってきました。

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ウサギノネドコにいらした方は
作品をご覧になったかもしれません。

カブトガニ

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これ、ほとんどの皆さんが本物のカブトガニと
間違えますが、実は一枚の銅板を叩くことで、
つくりあげている作品なのなのです。

こうして本物のカブトガニと並べると、
今尾さんの作品がもっている「生々しさ」が際立ちます。

大自然がつくりあげた造形物にまったくもって、
引けを取っていません。

むしろ人間がにじりよれば、
ここまでのものが生み出せるという凄みを感じます。

今尾さんの工房にはところせましと、
そんな生命体が並んでいました。

もう一度言いますが、
これ全部銅板を叩くことでつくりあげていらっしゃいます。

作品によっては何ヶ月も朝から晩まで銅を叩いて
つくりあげていくそうです。

10年前までは1日で叩ける時間がもっと長かったと
嘆いていらっしゃいましたが、そこは変わるんだろうなと思いました…。

生涯の間に銅を叩ける回数は限られている。
そして、叩くたびに体力的にも精神的にも
追い込まないとつくれない。

でもそうやって命を削って、
ギリギリまで追い込んでつくっているからこそ、
新しい命を吹き込めるんだとも思いました。

ものづくりにかける気迫のようなものを全ての作品から感じました。

ここまでの話の流れで、
気難しく、近寄りがたいオーラを発した職人さんを
イメージされたかもしれませんがw

今尾さんご本人はとても気さくで温和な方でした。

製作のための貴重な時間を割いて、
快く僕を出迎えてくださいました。

新たに取り組んでいらっしゃる生命体の製作について、
作品を手に取りながらお話くださいました。

ウサギノネドコではカブトガニ以外にも、
何点か今尾さんの作品があります。

今後もたくさんの方に今尾さんの作品をご紹介したいなと思っています。
よろしければお店に作品を見にいらしてください。